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第531回 落語研究会 10/2

2012年10月2日 第531回 落語研究会 国立劇場 小劇場

6時過ぎの半蔵門駅から国立劇場への道は、もう夕方と言うより夜。ついこの間は日が差して暑かったのだが。でも、風はまだ冷気はなく涼やかで気持ち良い。

春風亭朝也。色んな師匠に稽古をつけて貰うが大分が同郷で家も近い市馬が一番多い、と。二つ目になりたての頃こと、稽古に行ったらカレーを食べろと言われた。小さんの弟子なので覚悟はしていたがカレーがかかるところが少ないほどのご飯大盛り。カレーをかけ足しながら食べ終えて、お約束のお替わりをする。前座に目配せで少なくと言ったはずだったが最初よりもっと大盛り、それを食べている間に更にタッパーでご飯を温めてそれも食べたが、もっと大盛りだった、と言うマクラでそば清
赤い花の説明が長すぎ。バカでもないし、この会場にこの噺を聴いたことがない人はいないと思うし、一人悦に入ってもったいぶってやっているところを、こいつぁ・・・と思ってみる。

柳家小せん。小せんも研究会だからと言って肩肘張らずにゆったり楽しむようにと、グダグダやった。
バカの番付、東の横綱醤油を沢山飲む人、西の大関つりをする人。つりを見ている人の小話をやって夜鷹の野ざらし。小せんも出だしでグズグズして返って場を重くしてしまって、ペラペラと喋っているが地味に終わった。

古今亭志ん輔。人間ややこしい。大勢いるから一つになるより気の合わない人の方が多い。落語だけでなく芝居でも何でも一つになってこっちに向いて・・・、くれたらいいなあ、と。
吉田のご隠居の人使いが荒くて3~4人辞めていく、サゲのフリから入る化け物使い。奉公人は桂庵千束屋に言えば直ぐ替わりは来ると言うが悪評は立っている。杢兵衛が手を挙げたら、周りのみんなが止める。それを振り切って奉公に行くところから本編に入る。初日の仕事は薪、炭、縁の下、天井裏、ドブさらい、こっちの隣の掃除、反対の隣の掃除、ついでに三軒両隣の掃除、青物横丁に手紙を届け、ついでに千住。お化けは一つ目小僧、大入道、のっぺらぼうのフルキャスト。

中入り。前半はズーッと静かだった。
小三治一門会のチケット売り場に今回も彦いち組み手のおねえさんが手伝いに来ていた。
micさんは何回かぶり、inoさんは何日かぶりに挨拶。

五街道雲助。今の前座はバブル時代を知らない。ズーッと不景気、と。身投げ屋。ラッコの皮、18金時計眼をむいて算段をして無心する形は中途半端にくだらなくてくさくて見ていられない。
左のズーッと前にどこでも見かける首振りバアサンがいた。前から3列目の右通路から右に4つ入った女がズーッと扇子で扇いでいる。寒い館内でオレンジ色の扇子をずっとパタパタしている。これだけ離れたところでも目に入るのだから近くの人は相当迷惑だろう。

柳家喬太郎錦の舞衣(下)。マクラも(上)の粗筋もなく大塩平八郎の乱の中心事物の子供である宮脇数馬が、匿っていた絵師の狩野鞠信の根津の家で切腹をしているところから始まる。同心の石子伴作に捕らえられた鞠信はここで出番は終わり。後援者だった近江屋も付け届けをしたりするが釈放されずに拷問で死ぬ。
鞠信の女房の踊りの名人の板東須賀に岡惚れしている与力の金谷藤太郎が一夜の同衾をしたいがために、鞠信を助けると言ったり武士の実だと言って偽の正宗を預けたりする。
全部ウソだと気付いた時に、根岸の足立屋で懇意の人を集めて踊り納めをして、翌日に近江屋の寮に金谷を呼び出して首を取る。
南泉寺の鞠信の墓に金谷の首を置いて、読み切り。

うーん・・・。上の時はそれまで格調高かったところに、それまでも怪しいと勘ぐっていた数馬の姉の小菊だと女装した数馬を勘違いしてわめきだしたところから三文小説になったが、今回は石子が須賀を金谷に抱かせようとする最初のところから既に気が入らなくなった。後半のさわりの部分の須賀が金谷を問い詰めるところではアラームが長いこと鳴っているし、喬太郎は良いところで狩野鞠信を言い間違えるし。