人気ブログランキング | 話題のタグを見る

第500回 TBS落語研究会 3月1日 国立劇場 その④ トリ 権太楼 ~ 季助

三之助と三三、さん喬、中入りと扇橋、と500回目の落語研究会をメモしてきた。その最終回。

主任(トリ)が柳家権太楼。金比羅ふねふねの出囃子。太鼓とカネがウンチャウンチャの裏拍子。着物はいつもの黒い合わせ。最初から演題の小言幸兵衛の伏線。最近の前座は叱られたことがない。叱る方も気持ちよく叱れないない。と言うところから入った。しくじった時の謝り方。何も言わないで頭を下げていれば小言はみんな後ろに行ってしまう。そして、実演しながら、息をいっぱいに吸いそのまま止めて相手を見つめる。叱る方も疲れてくる。その信号は、「分かったか、なんか言ってみろ」。そしたら、貯めておいた息で、一気に「申し訳ありません」と言いながら頭を下げる。

権太楼が夫婦で師匠の小さんをしくじった話。権太楼が小さんから寿しをご馳走になり、帰りに寿司折り2人前をかみさんのお土産に貰った。深夜、かみさんは太るの何のと言いながら全部食べた。翌日、小さん師匠から家に帰ったか、かみさんに食べさせたかと聞かれた。はい、はいと答えた。お礼の電話がないっ。と叱られた。かみさんを車に乗せて、新宿で師匠のすきなメロン、木箱入りの、両手を頭の上で左右に広げて、こうなっているのを2個買って謝りに行った。寿しよりずっと高い。かみさんには叱られても何も言うなと言っておいたが、余りの剣幕に「子供が熱をだして」と言い訳してしまった。余計に叱られた。帰りの車の中で、権太楼からも責めたら可哀相と思い慰めたら、そうよねえ、あんなに叱ること無いわよねえ、とかみさん。

~~こんな話を500回で。・・・~~と権太楼。舞台の下手のそでを向いて、~~ここ切って。~~ そして、数秒間じっとすましてから噺に入る。

長屋を一回りしてきた幸兵衛さん。ばあさんを相手に愚痴をこぼしながらばあさんにも小言。そこへ ~~っぴらごめんねえ。っぴらごめんねえ~~ と男。呼び入れると~~勝負~~と言いながら戸を開ける。~~店賃いくら。 店賃いくら~~といきなり。空き部屋を借りたいと言う豆腐屋。子供の人数を聞かれた豆腐屋は、幸いガキはいねえ。~~店賃いくら。~~

子は子宝、そんな子供を産めない女はさっさと離縁しろ。尻のでかい直ぐに孕みそうな女を世話する。と幸兵衛さん。それに対し、仲人を立ててくっついたんじゃない。惚れられて連れ合いになったおせつ。分かれられない。と泣きながら。散々のろけて帰って行く。

次がバカ丁寧な腰の低い人。幸兵衛さん、お茶や羊羹をだすようにばあさんに言う。商売は仕立屋で、息子は二十歳で腕も立ち、器量もいいと言う。すると、風向きが変わってきたよ、と、お茶もようかんもチョット待てとばあさんに言う。幸兵衛さん。息子が独り者で器量が良くては、この町内から心中が出るな。貸せないな。と。筋向こうの古着屋のお花はいくつだいとばあさんに聞く。十九、うんうん。評判の器量良し、これはくっつくな。と続ける幸兵衛。

お前と息子が引っ越しの挨拶に行く。その時お花が息子に一目惚れする。その内深い仲になっていくだろう。女性は受け身、その内お腹がふくれてくる。向こうは一人娘、出来てしまったのだから、息子をやってしまうのが良いのだが、お前はそれができるかい。と仕立屋に聞く。それは出来ません。こっちも一人息子。嫁にいただきましょう。と仕立屋さん。そのように、両親が反対していれば生木を裂くようなもの。心中するな。と幸兵衛。とここで心中につながるのですか。と仕立て屋。~~まだ引越して来ていないんですが~~のフレーズが途中で何回か入るが、大家の妄想にとことん付き合ってしまう仕立て屋。

心中となると幕が開くな。幕が開いて大家が、私だが、出てきて長屋連中を連れて、迷子やーーいと探し歩くな。舞台中央に来ると、こういうふうに何かを拾って読む。とざいとーざい、拾い口上というやつだ。舞台が変わって、二人の心中の道行き。お花がお前の息子の名を呼ぶが名前はなんという。

郡山」国立小劇場の半分の客が爆笑。「たけぞう」で同じ半数が爆笑。小三治の本名ってことを知っている人だけが笑う。知らなくても笑っている人もいる。はず。

幸兵衛さんの芝居仕立てはまだ続く。二人は飛び込む前に手を合わせる。ばあさん、お花の所の宗旨はなんだ。うん、法華宗。お題目 ・・・?~~ナンミョーホーレンゲキョー ナンミョーホーレンゲキョー~~。これじゃ陽気で心中にならない。お前のところは? うん、真言ん、~~オン アボキャベイロシャノウ マカボダラ マニ ハンドマ~~。あー、これでは心中にならない。と、幸兵衛の一人芝居は益々佳境に。仕立て屋は這々の体で去る。 

次の男で下げに入る。~~やい、家主の幸兵衛はてめえか。あのうすぎたねえ家を借りるからそう思え。店賃なんぞ高えこと抜かしゃがるとただおかねえぞ。 いや、乱暴な人だな。おまえさんの商売は? 鉄砲鍛冶だ。 なるほど、道理でポンポン言い通しだ。~~ 35分。

外は小雨になっていた。

帰りの森下町の季助での「一人おさらい会」のメモは後日にするが簡単に。
冷や酒を何種類か飲んだと言うが、どう見ても30才前後に見える40才の人と1年で20kg痩せた人(二人とも美人)とカウンターのあっち端とこっち端で会話。二人がこっちを向いて、太っていないですよ。それ以上痩せると貧相になり、年齢が顔に出ますよ。と。幾つに見えたのか。